作家性ってなんだろう
9/2(水)〜9/6(日)までの間、横浜のフォトバー・サヨウさんで開催された公募グループ展に出展しました。
テーマは『 駅 』。
私は銚子電鉄の駅とその周辺で撮影した風景、スナップ、ポートレイト4枚で展示を構成して、いつものようにポートフォリオ(形式としては写真集に近い)を置かせていただきました。
ポートレイトとしては昨年の『めめ猫展2』に向けての撮影分からピックアップしています。
今回の目的は2つ。
1つは、昨年ロケハンした際の風景がとても素晴らしかったので、ポートレイト展では難しいレベルで風景とポートレイトを組み合わせて展示をしてみたかったというものです。
最近はポートレイトだけで展示をすることは少なくなっていて、風景やスナップとの組み合わせが心地よいと感じるようになっています。
もう一つの大きな理由は、『駅と彼女』で認知されている三橋康弘さんの"作家性"を肌で感じてみたいというものでした。
三橋さんの写真は以前から知っていましたが、ポートレイトの単写真としてインパクトがあるとか上手いといった種類のものではないはずだと思っていました。
当初は、鉄道写真に女性ポートレイトの要素を絡ませたものが、鉄道写真の文脈の中で目新しいのだろうと思っていましたが、同時にここまで支持されるもなのだろうかとも思っていました。(今となってはとても失礼な話です)。
今回、三橋さんは代表作である『駅と彼女』のポートフォリオを持ち込んでいて、それを数ページ拝見して、『ああなるほど』と実感しました。
私自身は駅や旅のドラマ性はもちろん理解していますが、鉄道そのものには全く興味がないのですが、
同じ構図で撮られた駅とおそらくは意図的に選択して取り入れられた周囲の街の風景、そこに立つ女性が面白いくらいに想像を掻き立てて、作家に話を聞きたくなるのです。
私がした質問や、お伝えした感想はこんな感じです。
自分のために書き記しておきたいだけなので、読み飛ばしてください。
・同じ構図の写真のリピートだからこその面白さがありますね
・それぞれ女性は実際にその電車を使っている方ですか?
・知らない街ですが、どこか見たことがあるようにも思えるし、知っていたらそれも会話につながりますね
・女性のバッグなどはそのまま持たせているんですか?ファッションからどんなバックグラウンドの女性なのかなと想像が膨らみます
・(9枚ほどある展示写真を拝見しながら)『駅と彼女』の構図で撮影されたこのカットがあれば、この撮影の目的は達しているとも言えてしまいますね。
etc.etc...
写真の中には知った写真関係者もおられましたが、駅も女性も匿名性が高いほど想像を膨らませると感じました。
写真を見てこんなに素朴な質問がしてみたくなったり伝えたくなったりすることはそれほど多くないので、ああなるほどこういうことかと感じ入った次第です。
良い経験をさせていただきました。
ありがとうございました。
そしてあきたさんと植村さんの写真も同じように話を聞きたくなる写真で素晴らしく、鉄道写真の奥深さを思い知らされたのでした。
鉄道に本気で足を踏み入れて見たくなる展示でした。
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